強度をコントロールできてる?レッスンで心拍の理想的な山を描くコツ
皆さまこんにちは、ヨガインストラクターのよがくらげ雅子です。
レッスンのシークエンスを考えるときに、皆さんはどんな基準や理想像に向かって組み立てていますか?
フロースタイルであってもそうでなくても、アーサナごとに負担を回収できるようにカウンターポーズなどを取り入れて、気持ちよく動けるように工夫している場合も多いと思います。
アーサナには、
●息を吸いやすいアーサナ
●息を吐きやすいアーサナ
がありますよね。もう少し細かく分けると、
●息を吸うことで深まるアーサナ
●息をり吐くことで深まるアーサナ
があります。
陰性、陽性で分けるとすれば
「息を吸いやすいアーサナ」と「息を吸うことで深まるアーサナ」はどちらも交感神経を優位にしやすい陽性のアーサナであり、
「息を吐きやすいアーサナ」と「息を吐くことで深まるアーサナ」はどちらも副交感神経を優位にしやすい陰性のアーサナです。
しかし、レッスン全体の心拍の山を理想的な弧を描くようシークエンスを組むためには、これらのアーサナを区別し、ヴィンヤサの強度をコントロールしていくと良いでしょう。
■同じ自律神経作用のアーサナでも強度は違う
陽性のアーサナをさらに「息を吸いやすいアーサナ」と「息を吸うことで深まるアーサナ」で細分化した場合に、強度の強いアーサナはどちらでしょう?
図を見るとわかるように、やはり基本的には、息を吸うことで深まるアーサナは強度が上がりやすいです。
同じように陰性のアーサナをさらに「息を吐きやすいアーサナ」と「息を吐くことで深まるアーサナ」で細分化した場合に、強度の強いアーサナはどちらでしょう?
図を見るとわかるように、やはり基本的には、息を吐くことで深まるアーサナは強度が上がりやすいです。
息を吐くことで深まるアーサナの中にはツイストのポーズも多く、吐く息ごとに腹筋を使いツイストを深めていくため、アーサナ強度は高まります。
どちらにしても、「吸うことで深める」「吐くことで深める」アーサナは、積極的な呼吸が伴い、心拍が上昇しやすく、レッスンの山を作るのに適したアーサナになります。
反対に、「吸いやすい」「吐きやすい」を自然な呼吸で叶えやすいアーサナは、陰陽のバランスをとりつつ徐々に心拍を上げて行ったり、リラックスモードへ導いたり、といったなだらかな心拍の坂道を描くために必要ということですね。
■アーサナの強度を選び、配置する
●自然な呼吸で深まりやすいアーサナでのシークエンス
では、「吸いやすい」「吐きやすい」を自然な呼吸で叶えやすいアーサナを配置したシークエンス例を見てみましょう。
こういったフローは、呼吸を徐々に深めていくのに適していますし、心拍を上げていく際の導入としてレッスンの理想的な山を描くために必要なフローです。
また、リラックスヨガや初心者向けのクラスではこのくらいの強度がレッスン全体のピークとして行われることもあるでしょう。
●積極的な呼吸で深まるアーサナでのシークエンス
こういったフローは積極的な呼気と吸気が引き出され、心拍数が上昇します。
アーサナの完成度を上げていくことの楽しさに気づきやすいのもこういったフローの特徴なので、心身ともに上昇気流に乗せていくには適切な配置といえるでしょう。
■多様な強度のアーサナをフローに取り入れて
これら強度の異なるアーサナは同じフローの節に配置してはいけないかというともちろん決してそうではなく、配置するアーサナの強度や数を自由にくみ合わせることによって、クラス全体での心拍数の変化を理想的な形に調整することができます。
例えば、少し強度の強いアーサナが続いた後に自然な呼気で深まる前屈のアーサナを配置すればカウンターポーズとしても適切ですし、心身をより効果的に緩めることができます。
効果的なシークエンスの理論の上に成り立つ配置であれば、自由な発想でアーサナを繋ぐことで、より楽しく、効果的なクラスを提供することができるでしょう。
ヨガシークエンスデザイン講座では、解剖学や呼吸生理学から、客観的な視点で本当に効果のあるクラスを提供できるインストラクターを養成しています。
この講座はこんな方にオススメです。
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芸術大学卒業後、デザインの仕事に就くが、消費サイクルの短いデザイン業に疑問を感じ、30年以上のヨガ愛好者である母の影響で続けていたヨガに更に本気で向おうと決意、ヨガインストラクターに転職する。現在は3人の子育てをしながら幅広い年齢層に多様なヨガを指導。