柔軟性だけにアプローチしていませんか？開脚編

皆さまこんにちは、ヨガインストラクターのよがくらげ雅子です。

前回、股関節の屈曲、前屈へのアプローチについて掲載致しました。（柔軟性だけにアプローチしていませんか？前屈編）

今回は同じく柔軟性だけでは成り立ちにくい、開脚、つまり股関節の外旋、外転運動へのアプローチについて探っていきたいと思います。

■意識的に取り入れていく必要のある股関節の外旋、外転

ヴィンヤサのレッスンを提供する場合、様々なアーサナを深めていくためにも特に意識したいのは股関節の外旋、外転運動です。

なぜなら太陽礼拝を見ればわかるように、基本的なヴィンヤサシークエンスは矢状面の動きを引き出すのには適していますが、股関節を横に開く開脚の動きは含まれないからです。

つまり、そういった運動が必要になるアーサナのためには、股関節外旋、外転の動きを意識的に取り入れ、体の準備を整えていく必要があると言うことです。

■股関節の柔軟性を高めるストレッチ

股関節の柔軟性を高めるストレッチには色んなものがありますよね。外旋、外転の可動範囲を広げるためのものには図のように自重を利用したものも多いです。

これらのストレッチは内転筋をストレッチし、球関節である股関節の動きをスムーズにするのに適していますね。

しかし、ヨガのクラスの現場でよく見かけるのはこういったストレッチは難なく行えるにも関わらず、ヴィラバドラーサナⅡで膝が内側に倒れやすかったり、アルダチャンドラーサナで骨盤が横に開きにくかったりするケースです。

こういったタイプの方は股関節の柔軟性はあるけれど、股関節を開いた状態で維持する筋力が足りないことがアーサナが取りにくい原因であることが多いです。

私の印象ではこういうタイプは圧倒的に女性に多いように思います。女性はもともと股関節が内側についている骨格の方が多く、さらに筋力も男性よりは少ないため、柔軟性は相対的に男性よりも高いことが多いにもかかわらず、股関節外旋、外転を維持しにくいという特徴があるのではないでしょうか。

では、そういった受講生に対し、このようなアーサナを心地よく取れるようにどんなアプローチをしていけば良いでしょうか？

■股関節の積極性を引き出す！内外転のトレーニング

股関節外旋、外転をキープするためには中臀筋や梨状筋などの感覚を目覚めさせ、筋力を上げていく必要があります。

●ヴィラバドラーサナⅡを行いやすくするシークエンス

例えば、図のような股関節の内外旋を含む動きは、股関節の積極性を引き出すトレーニングに適しています。

呼吸と共に交互に行うことでヴィンヤサのシークエンスにもとても組み込みやすいですし、外旋させた状態で数呼吸キープするのもおすすめのシークエンスです。こういった動きを本格的なアクティベーションの前に配置することで、ヴィラバドラーサナⅡなどの立位のアーサナが取りやすくなります。

●アルダチャンドラーサナを行いやすくするシークエンス

図のような膝位のサイドランジを含むシークエンスは、骨盤を横に開いてバランスを取るための筋力と感覚の鍛錬にとても適しています。

こういった流れは、カウンターポーズへ向けて内外旋のどちらの動きも引き出せるので、より股関節の動きをよくする効果が高まります。

呼吸も深まるので、引き出しとしてストックしておくと効果的なシークエンスを構築するのにとても役立ちます。

★足りないものを補いながら、呼吸を深めていくシークエンスを

正しいアーサナは呼吸を効果的に深めていくためには欠かせません。アーサナを正しく行える体に整えることは、呼吸を深める効果的なシークエンスにつながっていきます。

ヨガシークエンスデザイン講座では、解剖学や呼吸生理学から、客観的な視点で本当に効果のあるクラスを提供できるインストラクターを養成しています。

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この講座はこんな方にオススメです。

・シークエンスの組み方を基本から学びたい

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