見えてますか?アーサナで負担がかかっている箇所
皆さまこんにちは、ヨガインストラクターのよがくらげ雅子です。
正しいアーサナは、体に色んな効果効能をもたらしますが、その多くは普段の生活ではなかなか行わない体位ですよね。
人体は二足歩行をしやすいような構造になっていますが、アーサナはその構造には反した方向性へを伸長させたり、収縮させたり、という物も多く存在します。
そういったアーサナは当然のことながら体のどこかに負担(=テンション)がかかるわけです。
そこで大切なのは、アーサナでかかったテンションをしっかり回収するための視点を持ち、シークエンスを構築すること。
そのためにはアーサナ中に生徒さんの体のどこに最もテンションがかかっているのかが常に把握できていなければいけません。これは怪我をさせない、そして呼吸を深めるシークエンスを提供するためにインストラクターとして最も重要と言える視点かもしれません!
関節の構造を理解する
アーサナ中にどこに負担がかかっているのか、それが見える目を持つためには、関節の構造上の理解が不可欠です。
例えば股関節。
股関節は360度の動きを出せる球関節ですが、前後左右同じように可動できるわけではありません。二足歩行のために前方屈曲させるのは得意ですが、後方への進展はわずか15度程度です。
とはいえ、ヨガのアーサナでは後方へ進展させる物もたくさんありますよね。
例えばおなじみのアンジャネーヤアサナ。
胸が開き腕は肩関節から上方へ伸び、骨盤は前傾傾向となる極陽のアーサナですね。さて、このアーサナ、右脚が前の時は、どこに最もテンションがかかっているでしょうか?
答えは、左腰部です。先ほどの股関節の可動域角度を思い出してみてください。
右脚前のとき、左脚は後ろに伸びた状態なので、どうしても腰への負担が大きくなります。
では、こういったアーサナの後に配置するアーサナはどういったものが適切か、具体的にみていきましょう。
腰部のテンションを回収するシークエンス例
●前屈のアーサナを配置する
まず最も考えやすいのは前屈のアーサナを配置することでしょう。
上段のようにローランジから一度前屈を入れ、そしてアンジャネーヤアサナ、その後前屈、というように、都度前屈のアーサナを入れると初心者も負担なく呼吸を深められるシークエンスとなります。
これは、下段のようなハイランジのポジションでも同じように応用できます。
●腰部を伸展させるアーサナを配置する
また、後屈によりテンションのかかった腰部を伸展させるアーサナも効果的です。
アンジャネーヤアサナやウッティタアシュワサンチャラナーサナ(ハイランジ)のような後屈の後に、上体を横に開きパールシュバコナーサナへ移行することで、腰が気持ちよく伸び、アーサナの効果を高めることができます。
後屈のアーサナは特に、慣れている人であっても腰部への負担がかかりやすいので、必ずその後にかかった負担を回収するアーサナを配置するように心がけましょう。
次に緩めるべき箇所を瞬時に見抜く力
このように、アーサナは正しいアライメントであっても、必ずしも解剖学的に体にとって負担がない物ばかりではありません。
その中で、心地よく呼吸ができる力の使い方や、正しい意識の向け方などを探っていくのがアーサナの目的ですが、間違った行い方をすると怪我につながることも…もちろん心地よさも感じられず、ヨガの恩恵を受けることができません。
解剖学的に理想的なシークエンスで練習することは、怪我をしないようにアーサナを体験するために必要なことであり、それこそが効果的に呼吸を深めるシークエンスといえます。
インストラクターに必要なのは、今のアーサナでどこに最もテンションがかかっているかを瞬時に見抜く力、そして、次にどんなアーサナで緩めれば良いかを判断し、ガイドする力です。
そのために必要な解剖学、呼吸生理学は、これからの時代のインストラクターには必須のスキルといえるでしょう。
この講座はこんな方にオススメです。
・シークエンスの組み方を基本から学びたい
・ティーチャートレーニングは卒業したが自分のシークエンスに自信がない
・解剖学的に呼吸を深めるシークエンスを提供したい
・アーサナと自律神経系への作用を学びたい
・生理学的に作用する深いリラクゼーションを提供をしたい
*講座日程
●2021年5月シークエンス講座開催
5月シークエンス講座平日水曜コース開催
5/12,19,26 19:00-21:00
*各セクション
(Zoomでのライブクラス2h、動画講義3h、オールカラーのテキスト代含む)
*3本セット
(全ての動画講義、Zoomでのライブクラス3日、修了証が発行されます)
講座の詳細、オフィシャルラインはトップのリンクからどうぞ。過去「身体の力みをとるビンヤサシークエンス講座」を受講された方の受講方法なども詳細をご覧下さい。
芸術大学卒業後、デザインの仕事に就くが、消費サイクルの短いデザイン業に疑問を感じ、30年以上のヨガ愛好者である母の影響で続けていたヨガに更に本気で向おうと決意、ヨガインストラクターに転職する。現在は3人の子育てをしながら幅広い年齢層に多様なヨガを指導。