効果的なヨガシークエンスの作り方を公開します。効果的なシークエンスとなフィジカルワーク(ポーズの練習)が体の内的な部分へ作用する事。
実際のクラスでどのようにシークエンスを組み立ていっていいかよくわからない人はまず基本の縦の動き矢状面上での動きを考えてみよう。
人間の関節の動きは3Dの3つの側面が存在します。
矢状面(屈曲、伸展の縦の動き)、前額面(外転、内転、側屈などの横の動き)、水平面(内外旋、ねじる動き)これら縦、横、ねじりの3つの側面で可動します。
中でも二足歩行が人間にとって最も基本の運動となるので優位性の高い動きと言うのは矢状面の縦の動きで矢状面で可動する関節はもっとも多いです。
また股関節だけでなく脊柱の矢状面上の縦のの動きと言うのは呼吸器に最も影響がある動きです。例えば背骨がアーチバックするような動きと言うのは肋骨が広がり吸気が優位になるポジションです逆に背骨が丸くなって前に倒すような動きは肋骨の動きに制限がかかり、肺は広がりにくく腹筋が優位になって吐けるポジションとなります。
吸えるポジション(写真下右の赤)と吐けるポジション(写真下左の青)を理解しよう
吸えるポジションと吐けるポジションは呼吸器官へのつながりから自律神経やホルモン、生理学的な身体の内面的な機能へ作用します。
下の画像のように同じバッタコナアーサナでも床から離れるように起き上がる動き(写真左)は背骨が伸び、肋骨や肺などは広がりやすい吸えるポジションです。
(写真右)は背骨は丸く、重力に従うような状態は呼気の優位な吐けるポジションです。
これらはどちらも同じバッタコナアーサナというポーズですが2分間キープした時の心拍数の変化を光工学式の心拍測定器で測定をすると大きく違いが出てきます。
吸えるポジションは心拍数は上がりやすく、頭は覚醒し、相対的に交感神経が優位になりやすいポジションと言えるでしょう。
逆に吐けるポジションは心拍数は下がりやすく、リラックスし、相対的に副交感神経が優位になりやすいポジションと言えます。
自律神経は自分の意思とは関係なく無意識にオートマチックに体内に作用します。
腕を上げたり、走ったりは自分の意思でできますが、
心拍数や血圧などは自分の意思で上げたり、下げたりできませんね。
しかし、この写真のように吸えるポジションと吐けるポジションを意図的に使い分けてシークエンスの中で配置する事でフィジカルワーク(体の外的な動き)は自立神経へアプローチし、体の内的な部分へ作用させることができます。
例えばシャバアーサナに入る前のRelaxationのフェーズで写真下左のビラアーサナ(仰向けの割り座)はボルスターに身体を預けてリラックスのポーズではありますが、太腿の前面が伸び、胸が開く事で吸えるポジションと考える事ができます。
リラクゼーションのポーズではありますが呼吸の生理学の視点では比較的頭は覚醒しやすく、交感神経が優位になりやすいポーズと捉える事ができます。
このまま寝ることは難しいでしょう(入眠は副交感神経優位)。
これらの視点からビラアーサナの後により副交感神経が優位になる吐けるポジションを配置することでより効果的に深いリラクゼーションを与えることができます。
実際にビラアーサナ(吸えるポジション)の後に吐けるポジションのバッタコナアーサナを
配置することで心拍数は下がり、より効果的に副交感神経の優位な状態を作る事ができます。(写真下)
吸えるポジションと吐けるポジションを意識して配置する事で効果的なシークエンスを組む事ができます。
この吸えるポジションと吐けるポジションの理解ができるとなぜ太陽礼拝があのような動きでポーズが配置されているのかが理解できます。
ぜひ参考にしてください。