オンラインレッスン、空間認識をどう伝える?
皆さまこんにちは、ヨガインストラクターのよがくらげ雅子です。
ヨガの効果、もっといえば、呼吸の深まりをしっかり感じるためには、正しいアライメントへ導くことが必要。
これはもう今までも幾度となくこのコラムでも触れていますし、インストラクターであれば日々肌で感じていることでしょう。
同じ空間でレッスンを行う場合は受講生のアライメントを3Dで確認しやすく、口頭で正しい方向性をアシストすることもできます。
コロナ以前では触れてアジャストすることも今よりずっと身近な手法でしたし、今思えば受講生のアライメントを正すことは比較的容易だったように思います。(あの頃は良かったなあ、的な、笑)
ですがコロナを経て、実際に触れてアジャストすることには抵抗が生まれ、さらには同じ空間でレッスンをすること自体が前よりも特別なことである認識が広がり、同時にオンラインレッスンの需要が一気に膨らみましたよね。
今回は、オンラインレッスンでも受講生との空間認識を一致させることの重要性について、掘り下げてみましょう。
■オンラインで共通の空間認識を持つことの難しさ
オンラインのレッスンではそもそも空間を共有できていないので、正しい方向性へと導くことが対面のレッスンとは比べ物にならないほど難しくなります。
さらに!オンラインのレッスンでは自分の画面をオフにして参加している受講生も決して珍しくはありません。
現に私が担当しているあるオンラインのレッスンでは、ピラティスはほぼポーズチェク有りでの参加ですが、ストレッチなどはほとんどがポーズチェック無しでの参加です。(これも考えてみれば面白い…ピラティスとストレッチでは受講生のポーズに対する認識に大きな差があるということのようです)
とにかく、オンラインのレッスンではそのような受講生に向けてもちゃんとしたアライメントに導く確かな技術が要求されるわけです。
■共通の空間認識を持つことの重要性
以前、協調運動とセロトニンについての記事を公開しました。
この記事内でも触れているのですが、ヨガのアーサナは上半身と下半身、背骨と肩甲骨、などというように、違う部位を同時に使うことで体に方向性を持たせる、いわば協調運動と言われるものがほとんどです。そして協調運動こそが呼吸を深めることに直結し、脳内でセトロニンの分泌を高める作用のあることがわかっています。
つまりアーサナの効果を引き出すためにこの方向性の認識は欠かせないということですね。
■どう伝える?ちょっとしたガイドのスキルが起こりがちなミスアライメントを修正する!
正しく協調運動へガイドするために、
「背骨を上に伸ばし、右腕は肩から指先まで下へと伸ばしましょう」「指先でマットを押し、胸を引き揚げて」
などのように、上下(天地)の方向性は比較的伝えやすいですよね。
では、前後、あるいは斜め前後などさらに複雑な方向の場合はどうでしょうか?
上の画像、上段は正しいランジのツイストポーズ、そして下段は軸がぶれた起こりがちなミスアライメントです。
このミスアライメントを正しくアジャストするには、まずは背骨をマットの前方向へ伸ばすこと、それと引き合うように後ろ脚をマットの後方向へ伸ばすようなガイドが必須です。
…どう伝えますか?笑
オンラインなら特に、、難しいですよね。
「前の窓の方へ」いや、うち前はテレビしかないし
「後ろの壁の方へ」うち今、壁、斜め後ろやけど
そう、各々が別の空間でヨガを共有するオンラインレッスンの場合、この方向性を共通の認識として共有することは、重要でありながらとても難しいことなんです!
そこで役立つのが、例えばみんなの頭の中に共通のイメージとしてしっかりある「時計の文字盤」です。
レッスンの冒頭で、共通認識としてマットの前が12時、後ろが6時、という共通認識を受講生に伝えることで、方向性へのガイドが格段に楽に、そして正確になります!
上記であれば、背骨を12時の方向へ、左腕は6時の方向へ、というガイドで、正しいベクトルをつけることができますよね。
また、シークエンスの途中で体位が大きく変わった時も、○時の方向へ、というガイドで適切に導くことが可能になります。
こう言った共通の空間認識を持つことは特に違う空間で行うオンラインのレッスンでは欠かせません。
そして共通の空間認識を持つことで、オンラインでもより自由度の高いシークエンスを提供することが可能になります。
ヨガシークエンスデザイン講座では、これから活躍していけるインストラクターのために、本当に必要なスキルや、多様化するレッスンのシチュエーションに対応できる考え方が身につきます。
この講座はこんな方にオススメです。
・シークエンスの組み方を基本から学びたい
・ティーチャートレーニングは卒業したが自分のシークエンスに自信がない
・解剖学的に呼吸を深めるシークエンスを提供したい
・アーサナと自律神経系への作用を学びたい
・生理学的に作用する深いリラクゼーションを提供をしたい
*講座日程
●2021年5月シークエンス講座開催
5月シークエンス講座平日水曜コース開催
5/12,19,26 19:00-21:00
*各セクション
(Zoomでのライブクラス2h、動画講義3h、オールカラーのテキスト代含む)
*3本セット
(全ての動画講義、Zoomでのライブクラス3日、修了証が発行されます)
講座の詳細、オフィシャルラインはトップのリンクからどうぞ。過去「身体の力みをとるビンヤサシークエンス講座」を受講された方の受講方法なども詳細をご覧下さい。
芸術大学卒業後、デザインの仕事に就くが、消費サイクルの短いデザイン業に疑問を感じ、30年以上のヨガ愛好者である母の影響で続けていたヨガに更に本気で向おうと決意、ヨガインストラクターに転職する。現在は3人の子育てをしながら幅広い年齢層に多様なヨガを指導。