吸う時、吐く時、体の中で何が起こってる?
皆さまこんにちは、ヨガインストラクターのよがくらげ雅子です。
このブログの読者の方にとっては周知のことですが、ヨガシークエンスデザイン講座では、「呼吸を深める」ことに焦点を当てています。
なぜなら呼吸を深めることはヨガで得られる様々な効果の中で、最もわかりやすく、そして重要なことだからです。
ヨガの練習の中では意識的に行う呼吸ですが、普段我々は自律神経の働きによって無意識のうちに呼吸を繰り返しています。
自律神経と密接な相関関係がある呼吸。それは何となく分かっていても、実際に吸う時、吐く時、体の中で何が起こっているかを理解していますか?
今回は、呼吸が体に及ぼす影響について、少し掘り下げて探ってみましょう。
■呼吸の仕組み
肺は鎖骨のすぐ下から肋骨内に広がる肺はとても大きな臓器です。
肺は臓器そのものの働きではなく、肋骨の間の筋肉と、横隔膜(おうかくまく)の動きにより空気を吸ったり吐いたりしています。
【息を吸うとき】
肋骨(ろっこつ)の間の筋肉が伸(の)びると胸壁(きょうへき)が広がり、肺も横に引っ張られてふくらみます。同時に横隔膜が縮んで下にさがるので、肺は下に引っ張られてふくらみます。ふくらんだ肺の中へ空気が入って行きます。
【息を吐(は)くとき】
肋骨の間の筋肉が縮み、胸壁を縮ませるため肺も押(お)されて縮みます。 同時に横隔膜も伸(の)びて上にあがるので肺も下から押しあげられて小さくなります。肺が縮むことで、肺の中の空気が外へ押し出されます。
■呼吸は常に一定ではない
こうした呼吸は常に一定のペースで行われているわけではありません。
例えば夜眠りにつく前などは体温や活動量も下がり、呼吸もゆったりとしたのもに変化するのが理想的ですよね。
反対に、例えば誰かに追いかけられている時、神経は興奮し体は危機を感じ「逃げる」という行動を全力で行いますよね。息が上がり、呼吸は平常時より大きくなります。
なぜそうなるのか、それは体が酸素を多く必要としているからです。
体が酸素を多く必要とする時、呼気よりも吸気が優勢になります。
これは、シークエンスデザイン講座で言うところの「吸えるポジション」に他なりません。
吸えるポジション=交感神経が優位になる体位の時、体の中では何が起こっているのでしょうか。
■血中酸素濃度に影響する自律神経
体は酸素を燃焼材料にし、糖質をエネルギーに変換することで原動力を得ています。
前述した逃げる時に吸気が優勢になるのは、原動力を得るために酸素を多く必要とするからです。
つまり、吸えるポジションの時、血中酸素濃度が上がっているのです。
血中酸素濃度が増える→活動エネルギーが増える→心拍が上昇、というように、体内に酸素をいかに取り込むかというのは自律神経と深い相関があります。
ヨガは代表的な有酸素運動ですが、この有酸素運動の効果をしっかり出すためにも、意識的ま呼吸は欠かせない要素と言うことですね。
そして吸えるポジション、吐けるポジションをうまく配置することは、血中酸素濃度や心拍の面から自律神経へダイレクトに働きかけます。
覚醒状態、リラックス状態、これらを意図的に作り出し、心身のバランスを整えるために、呼吸から神経をコントロールするヨガは最も有効な手段のひとつと言えるでしょう。
この講座はこんな方にオススメです。
・シークエンスの組み方を基本から学びたい
・ティーチャートレーニングは卒業したが自分のシークエンスに自信がない
・解剖学的に呼吸を深めるシークエンスを提供したい
・アーサナと自律神経系への作用を学びたい
・生理学的に作用する深いリラクゼーションを提供をしたい
*講座日程
●8月シークエンス講座開催
*各セクション
(Zoomでのライブクラス2h、動画講義3h、オールカラーのテキスト代含む)
*3本セット
(全ての動画講義、Zoomでのライブクラス3日、修了証が発行されます)
●9月セロトニンヨガ養成講座開催
講座の詳細、オフィシャルラインはトップのリンクからどうぞ。過去「身体の力みをとるビンヤサシークエンス講座」を受講された方の受講方法なども詳細をご覧下さい。
芸術大学卒業後、デザインの仕事に就くが、消費サイクルの短いデザイン業に疑問を感じ、30年以上のヨガ愛好者である母の影響で続けていたヨガに更に本気で向おうと決意、ヨガインストラクターに転職する。現在は3人の子育てをしながら幅広い年齢層に多様なヨガを指導。