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理に適ったアーサナに導けていますか?チャトランガダンダーサナと肩関節

皆さまこんにちは、ヨガインストラクターのよがくらげ雅子です。

つくづく思うのは、ヨガのアーサナは解剖学的観点からみても理に適っていて、有益なものがとても多いということ。

難易度が高く無理のかかりそうなアーサナですら、柔軟性や力の使い方など、準備を適切に整えて理解を深め行えば、本来は怪我をすることは無いはずなのです。

にも関わらず、ヨガで怪我をする、というのはもはや全く珍しい事ではなく、むしろ長年に渡りヨガに親しんでいる人であれば怪我をしたことの無い人の方が少ないくらいかもしれませんね。

今回は、行われる頻度の高い太陽礼拝を構成するアーサナの一つでありながら、間違った解釈の元に行われることも時折見られるチャトランガダンダーサナについて、肩関節の解剖学的理解を深めながら探っていきましょう。

■肩関節の構造を学ぶ

以前にこのブログでもお伝えしましたが、肩関節と股関節はどちらも球関節と呼ばれる種類の関節です。

球関節とは、接合部分が球状と受け皿の組み合わせで構成されており、自由度の高い運動が可能になる関節です。

そのため、肩関節も股関節も「回す」という360の動きができるという特徴がありますが、股関節に比べ肩関節は受け皿が浅いため、股関節のように体の重みを支える安定感はありません。


その代わりに股関節より自由度がより高く、力強くおのを振り下ろすような動きから赤ちゃんを優しく抱き上げるといった繊細な動きまでをコントロールしやすいという特徴があります。

■肩関節が安定する角度は?

肩関節は体幹の真横についているわけではありません。肩甲骨は横から見ると受け皿状になっており、その向きは体幹から30〜40度ほど内寄りについています。

つまり、球関節である肩関節が最も安定するのはこの受け皿に対して正面の角度で球骨がはまる角度です。

体幹強化を目的としたピラティスの動きでよく行われるマーメイドストレッチ(両腕を横に広げた状態で側屈を交互に行う)などでも、この角度は大変重要視されます。なぜなら、肩関節が安定しているポジションで行うことで初めて、体幹の安定も叶うからです。

■前鋸筋の作用で体幹部の力を腕に乗せる

ボクサーが他のアスリートと比べて大きく発達している筋肉はどこかわかりますか?それは前鋸筋です。

前鋸筋は「ボクサー筋」とも呼ばれるほどにボクサーにとって重要な筋肉です。なぜなら力強く腕を前に出すときに、この前鋸筋が作用することで体幹部の力をダイレクトに腕に伝えることができるからです。

そしてこの力は肩関節で体幹部を支えるチャトランガダンダーサナの時にも、最も意識するべきポイントです。

■肩関節で体重を支えるチャトランガダンーサナ

チャトランガダンダーサナで最も気をつけなければいけないことは何でしょうか?それは、肩関節に負担がかからないようにすることです。

時折、間違った認識でチャトランガダンダーサナの際に「肩甲骨を寄せて」というガイドを耳にすることがありますが、これは絶対にNG です。

なぜなら、肩甲骨を寄せる=受け皿の角度が横に向いてしまい、球骨が適切な角度ではまらないからです。これは肩関節に非常にストレスがかかり、傷める原因になってしまいます。

前述したように肩関節で体幹の重みを支えるためには、股関節のような安定感を肩関節でも引き出す必要があります。そのためには前鋸筋をしっかり作用させ、肩甲骨の受け皿の角度を下向きに調整するのが正しいアライメントです。

そして体幹でも体を支えながら重みを肩関節に乗せていくこと。

これは多くのアームバランスのアーサナやハンドスタンドにも繋がっていく力の使い方です。何気なく行いがちなチャトランガダンダーサナを、こうして体の構造を理解し、丁寧に行っていくことで、より高度なアーサナへとつながる基礎が出来上がっていくのです。

つくづく、太陽礼拝って、よくできてますよね〜!笑

※シークエンス講座では、呼吸生理学だけではなく、解剖学も一歩深く学びながらアーサナと呼吸への理解を深めていきます。

どんなキャリアのインストラクターにとっても、必ず大きなステップアップとなるでしょう。

野村賢吾先生によるオンラインでのシークエンス講座

この講座はこんな方にオススメです。

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*各セクション 

(Zoomでのライブクラス2h、動画講義3h、オールカラーのテキスト代含む)

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(全ての動画講義、Zoomでのライブクラス3日、修了証が発行されます)

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