心拍の理想的なアーチを意識していますか?vol.2 心拍下降編
皆さまこんにちは!ヨガインストラクターのよがくらげ雅子です。
今回はヨガのレッスンにおける心拍変動vol.2、心拍下降編です。
前回の記事でもお伝えした通り、レッスンの始まりから終わりにかけて、受講生の心拍変動が理想的なアーチを描けているかは、インストラクターとして意識するべき大きなポイントです。
心拍数とは、一定の時間内に心臓が拍動する回数のことで、通常は1分間の回数を指します。
レッスンでの心拍変動の目安としては
・開始からアクティベーションにかけて徐々に心拍が上がり
・最大心拍が100から120台まで上昇し、
・クールダウンにかけて徐々に下降し、
・シャバーサナでレッスン開始前よりも心拍数を下げられること
などがポイントとなります。これらをクリアしているレッスンは、運動強度が適度であり、体に余計な負担をかけずに自律神経を調整する効果が高いレッスンと言えます。
今回は、心拍を下降させるために必要なクールダウンについて探ってみましょう。
■心拍数が下がる=副交感神経が優位
心拍数は運動強度に比例します。
身体を動かす と心拍数は増加しますが、これは交感神経が活性化したためです。 反対に運動をやめると副交感神経の働きが高まり、心拍数は下がります。
ヨガのレッスンにおいて理想的な心拍変動は、最低心拍数がレッスン開始前ではなく、シャバーサナで記録されることです。
シャバーサナでレッスン開始前よりも心拍が下がるためには、適度な運動負荷でまずは心拍を上昇させ、徐々に下降させていく必要があります。
■そのリラクゼーションは心拍を上げる?下げる?
クールダウンのパートでは徐々に心拍を下げるリラクゼーションのアーサナを配置していきますが、リラクゼーションのアーサナが全て心拍を下げるかというと決してそうではありません。
呼吸が見えるヨガ®️でお伝えしている通り、リラクゼーションのアーサナにも吸えるポジションと吐けるポジションが存在しますよね。
つまり、心拍を下げる吐けるポジションのリラクゼーションポーズをいかに効果的に配置できるかによって、心拍の谷をしっかり作れるかどうかが変わってきます。これは、レッスン全体の満足感や終了後の爽快感を作る上でも非常に重要です。
■吸えるリラクゼーション→吐けるリラクゼーションで確実に心拍を下げる
誰に対しても心拍を下降させる働きが強いのは、体を重力に預け脱力しているアーサナですよね。
さらに胸郭や骨盤のポジションの違いによって、吐けるポジションであれば一層心拍下降の効果は上がります。
図はどちらもリラクゼーションのアーサナですが、左のスプタヴィーラーサナは重力に体を預けているものの、胸が開いて交感神経が優位になりやすい吸えるポジションのアーサナです。
例えばこの後に、右のバタコナーサナで上体を重たくかぶせる吐けるポジションのアーサナを配置することで、クールダウンの中でも陰と陽の変化を出すことができ、一層、副交感神経を優位にする効果を高めることができます。
■適切なクールダウンからシャバーサナへ導き、心身休息の密度をあげよう
このように、クールダウンの中でも吸えるポジション、吐けるポジションを意識してアーサナを配置することで、上がった心拍をクールダウンでしっかり下げる方向付けをすることができます。
そこからのシャバーサナは、身も心も休まる充実したものとなり、終わった後の満足感や心地よい覚醒感へと繋がっていきます。そしてレッスンでそう感じてくれた受講生は、必ずまたあなたのレッスンを受けたいと思うことでしょう。
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芸術大学卒業後、デザインの仕事に就くが、消費サイクルの短いデザイン業に疑問を感じ、30年以上のヨガ愛好者である母の影響で続けていたヨガに更に本気で向おうと決意、ヨガインストラクターに転職する。現在は3人の子育てをしながら幅広い年齢層に多様なヨガを指導。