正しく使えてますか?股関節と肩関節
皆さまこんにちは、ヨガインストラクターのよがくらげ雅子です。
今日は、アーサナを行う上で脊柱と並ぶ重要で大きな関節、肩関節と股関節について探っていきたいと思います。この2つの大きな関節を理解しておくことは怪我の予防やアーサナを深めていく上でもとても大切です!
まずは股関節と肩関節、この2つの違いについて、正しく説明できますか?
その違いを説明するためにはまず、人体の行動目的を理解する必要があります。
それぞれが似ている点、そして大きく違う点を確認していきましょう。
どちらも球関節である、股関節と肩関節
股関節と肩関節が似ているのは、感覚で理解している方がほとんどたと思います。動かしやすさや腕と脚の構造など、近いものがありますよね。それもそのはず、股関節と肩関節はどちらも同じ「球関節」に分類されます。
球関節とは、接合部分が球状と受け皿の組み合わせで構成されており、自由度の高い運動が可能になる関節です。
そのため、肩関節も股関節も「回す」という360の動きができるという特徴があります。
■股関節…人体は二足歩行が全ての基本
私たち人間は、二足歩行する生き物です。そのため、人体の構造は二足歩行しやすいように発達しています。
股関節の構造を深く見てみましょう。
大腿骨は、球状部分から大腿骨骨幹部軸(だいたいこつこっかんぶじく)に角度がつき、そこから屈曲して大腿骨頚部軸(だいたいこつけいぶじく)に繋がっています。この角度を「頸体角」 と呼び、成人では通常125~130度です。
これは、脊柱から両脚に体重を乗せる必要がある人体にとって、安定して体幹部を支えるためには当然の角度であり、理にかなった構造です。
人間は生まれてすぐに歩くことができませんよね。
その理由はここにもあります。赤ちゃんの時は頸体角が大きく、安定性が低いため体を支えることができませんが、年齢が上がるにつれて角度が変化し、安定感を増していきます。
二足歩行のためには股関節の安定性が必須であるため、下図のように人間の股関節は肩関節に比べると可動範囲はずっと狭く、伸展に至っては本来15°の可動域なのです!
体重を支えるために、股関節の構造は球状部を支えるくぼみが深く、そのため安定して二足歩行を行うことができるのです。
■肩関節…人体は手を使って多くの動きを行う
続いて、肩関節について見ていきましょう。
肩関節は股関節に比べると球状部を受ける結節部が浅いという特徴があります。そのため、安定性は低くなりますが可動範囲がとても広いです。
人間は手を使って行う動きが非常に多く、移動以外のほとんどの行動は主に手を使っていると言っても過言ではありません。
例えばバットを振ったり、重いものを持ち上げたりといった力の要る動きから、赤ちゃんを抱いたり、手先を使って文字や絵を描いたりといった繊細な動きまでこなす必要があるため、最も調節しやすく自由度の高い関節でもあるんです。
反対に脱臼などの怪我をしやすく、アーサナでいえば肩関節に体重を乗せるようなもの(例えばハンドスタンドやチャトランガダンダーサナなど)は難易度が高く、肩甲骨を含めた肩の意識的な使い方を習得する必要があるということですね。
人体にとって有益なレッスンを提供しよう
脊柱はもちろんのこと、股関節も肩関節も、人体が健康に生活をするために最も適した構造になっています。
ですが、ヨガの数あるアーサナは必ずしもその構造に沿ったものばかりではありません。型にとらわれて無理をしてしまうと怪我のリスクが高まり、心身を健やかに保つという最も大きな目的から離れてしまいます。
例えばアンジャネーヤアサナなどのように股関節の伸展可動域を大きくこえる可能性があるアーサナ は、その後にカウンターポーズで腰部のテンションを回収することで怪我を回避しながら柔軟性を高めていく必要がありますよね。
ヨガシークエンスデザインの講座は、脊柱編、股関節編、肩関節編に分かれていますが、その理由はそれぞれの関節の構造をしっかり理解することで、それらのポジションが呼吸の質に大きく関与する理論が学べるからです。
より豊かで、円滑な日常生活のためのヨガとは何か、シークエンスデザイン講座で学んでみませんか?
この講座はこんな方にオススメです。
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芸術大学卒業後、デザインの仕事に就くが、消費サイクルの短いデザイン業に疑問を感じ、30年以上のヨガ愛好者である母の影響で続けていたヨガに更に本気で向おうと決意、ヨガインストラクターに転職する。現在は3人の子育てをしながら幅広い年齢層に多様なヨガを指導。