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シークエンスデザインのメソッドは、セロトニン神経の活性化につながります。


ヨガのインストラクターをしていると、色んな理由でヨガのレッスンを受講している方を目にしますよね。健康管理やダイエット、精神面を整える目的、姿勢の改善などなど、ヨガへの入り口も違えば、抱えている悩みも様々。でももしヨガのインストラクターであれば、どんな目的で受けている方にもヨガならではの気持ちよさを体験してほしい、と強く願っているのではないでしょうか。

ヨガならではの気持ちよさや爽快感は、自律神経が整い、肉体のみならず精神面でも深いリラクゼーションを体験できることです。そういったレッスンがちゃんと狙って提供できるかどうかが、インストラクターとしての一つの分かれ道となります。

数値にはっきり現れた、ヨガの精神面への効果

ヨガが、肉体を通し精神面にも好影響を及ぼすことはすでに広く認知されていることですが、「すっきりした」「リラックスできた」などの感想は、個々の主観的な感覚であり、実際にどれだけの効果があったのかは曖昧な領域を出ません。

そこで、セロトニンヨガではPOMS(Profile of Mood States)と言われる気分、感情、情緒などの主観的側面からのアプローチによって対象者の情動を数値化し測定できる臨床心理テストを使用しヨガのクラス前後の『怒り』、『混乱』、『抑うつ』、『疲労』、『緊張、不安』5つの感情を200名以上測定しました。

過去にもヨガは肉体だけではなくメンタルヘルスの観点からも様々な効果が謳われてきました。想定通りヨガクラス後にはネガティブな感情は平均して20数%ダウン(ネガティブな感情が軽減)しました。

さらに、よりセロトニンの分泌を効果的に促すためにシークエンスの配置の構成を組み直し、ガイドでの誘導のポイントを押さえることで、数ヶ月前の測定時には-23%(改善)だった『怒り』のスコアが-31%の改善となり、『不安、緊張』のスコアは-26%から-38%へと10%以上の大きな効果がみられました。

なお、この実験では感情などの内的な作用を身体運動、シークエンスの配置がいかに作用するかを検証するために、一定時間の閉眼を伴う瞑想や呼吸法、哲学的な話しをクラスの中で含めずに行いました。

この検証からわかることは、シークエンスの配置がセロトニンなどの脳内ホルモン分泌に深く関連しているという事実です。

■レッスンにおいてセロトニン神経を活性化するポイント

では、実際にヨガのレッスンで理想的な脳内ホルモンのバランスを整えるために、具体的に何をしてくべきなのか。実は、シークエンスを組む際に意識すべきポイントがあるのです。

・有酸素のリズム運動

・呼気(吐く息)を優勢にしていくこと

・脊柱起立筋を働かせること

これらを意識的にシークエンスに落とし込んでいくことで、客観的に見てもより満足度の高い、精神面へも効果の高いレッスンを提供することができます。そしてこれを叶えるためには、シークエンスの組み方に加え、ティーチングのスキルにも大切なポイントがありました。

■セロトニンの分泌に欠かせないシークエンス構築スキルとティーチングスキル

有酸素のリズム運動。

これはセロトニンヨガのベースともいえる「吸えるポジション」と「吐けるポジション」の交互の配置です。

それらをより意識することで、アーサナのキープ中の呼吸だけでなく、吸気と呼気それぞれに乗せる動きがはっきりと見えてきます。そのようにして構成される呼吸と動きの連動が、この有酸素のリズム運動となってセロトニンの分泌を促します。

呼気(吐く息)を優勢にしていくこと

セロトニンの分泌を刺激するためには、実は呼気にポイントがあります。ため息をつくと落ち着いたり、ストレスが解消されるように感じることは誰しも経験があるのではないでしょうか。

そしてレッスンの中で呼気を優勢にしていくためには、当然ですが吸えるポジションでしっかり吸う必要があります。

しっかり吸うから、深く吐ける。

このサイクルをシークエンスに意識的に落とし込むことが大切なんです。これを意識すると、インストラクターは自然と、次の動きやアーサナのために、現時点のアーサナや動きを紡いでいくようになっていくことでしょう。

例えば図のような四つ這いのバリエーションでは、足をつかんで胸郭を開く吸えるポジションでしっかり息を吸うことで、次の糸通しのポーズで腹筋群が優位な吐けるポジションへスムーズに導くことができます。

これは解剖学と呼吸生理学に基づいた、自律神経に効果的に働きかけるとても大切なメソッドを取り入れています。

脊柱起立筋を働かせること

さらに、呼気を導く吸気を深めるためのティーチングポイントが、この脊柱起立筋群へのガイドにあります。

これを理解し狙って提供するためには、吸えるポジションの際に、受講者が右のように重力に体を預けるようなバタコナーサナをとってしまわないよう、「背骨を伸ばして」「床を押して重力に逆らって」などのように方向性をガイドに乗せていくことが必須です。

まずはしっかりと脊柱起立筋群を使って吸気を優勢にし、そこから右のような吐けるポジションに移行することでセロトニンを効果的に分泌させることができるのです。

■時代は数値で「見える化」の方向へ

これまでヨガがもたらす心身への効果は、被験者の主観や個人的な感想で評価されることがほとんどでした。インストラクター自身も、その曖昧さの中で手探りで良いレッスンを提供しようと励んでいたのではないでしょうか。ですが、ヨガ業界もオンライン化が進み、客観的な効果が求められる今、本当にそのレッスンが受講者に有益に働いているのかを数値で測り判断していく時代へと移行してきています。セロトニンの分泌を促す理論とスキルが学べるシークエンス講座は、日本のヨガインストラクターのレベルを底上げしていく必須の学びとなっていくでしょう。

2022年6月 セロトニンヨガ養成講座開催

詳細はトップリンクより

★シークエンスデザイン養成講座開催決定

野村賢吾先生によるオンラインでのシークエンス講座

この講座はこんな方にオススメです。

・シークエンスの組み方を基本から学びたい

・ティーチャートレーニングは卒業したが自分のシークエンスに自信がない

・解剖学的に呼吸を深めるシークエンスを提供したい

・アーサナと自律神経系への作用を学びたい

・生理学的に作用する深いリラクゼーションを提供をしたい

*講座日程

●次回シークエンス講座開催
*各セクション 

※詳細はトップリンクより

★セロトニンヨガ養成講座開催決定

呼吸を深めるシークエンスデザインのヨガメソッドから生まれたセロトニンヨガのシークエンスは、コルチゾール値の低下に非常に有益な効果があることをすでに血液検査で実証しています。

【セロトニンヨガ】セロトニン研究の第一人者有田秀穂氏(東邦大学名誉教授)が『セロトニンの分泌に効果的な身体運動を含んだヨガプログラム』として日本で初めて認証された。呼吸を深めるヨガの野村賢吾先生のさらに新しいヨガの形です。

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