伝えていますか?アーサナの方向性
皆さまこんにちは、ヨガインストラクターのよがくらげ雅子です。
シークエンスの効果を確実に出すためには、まずはアーサナごとの意味を理解し、正しく行うことが大切です。
この、アーサナの「正しさ」というのは形の正確性や美しさだけを指すわけではありません。
もちろん、アーサナの意味を理解し正しく取り組むことで自然とその形も美しいものになっていくことはあるでしょう。
ですが、アーサナの正しさは本来、見えない力の方向性こそが最も重要です。
■アライメントとは?アーサナを正しく行う「見た目」のポイント
「アライメント」とはアーサナを行う際の正しい体のポジションのことですよね。B K.アイアンガー師によるアライメントが詳しく記されている【ハタヨガの真髄】は、世界中のヨガ愛好者にとって最も有名なアーサナのバイブルです。
ヨガのインストラクターは受講生の状態を目視することで様々な情報を取り入れています。
アライメント、表情、呼吸筋の動き、力みや緩み…
その中でも体のポジションは、受講生が正しくアーサナを行えているかを知る上でまず入ってくる最もわかりやすい情報です。
例えば、代表的な立位のアーサナであるトリコナーサナを見てみましょう。
足の位置、骨盤と体幹の角度や向きなど、正しくアーサナを行うために意識すべき体のポジションが決まっています。
これらはインストラクターが受講生を目視する際におそらくは意識的に見ているポイントであり、重要度も高い情報と言えます。
しかし、アライメントは受け取りやすい情報であるが故に、その奥にある大切なポイントを見落とすこがないように気を付ける必要があるのです。
■内側から広がる力の方向性=ディレクション
確かにアーサナのアライメントはアーサナの効果を引き出すためにとても重要な要素の一つです。
ですが形の正確性だけでは、アーサナ本来の意味を理解し、本当に心身にとって効果的に行うことはできません。
アライメントと並び重要な要素は、見た目ではわからない力の方向性=ディレクションです。
先程のトリコナーサナを見てみましょう。
トリコナーサナは、脚力を使い体幹部を強く保ちながら、可能な範囲まで側屈させて、キープするべきアーサナです。
例えば体幹部で支えるのではなく、前腕にもたれてしまうと、下半身を安定させることができず、このアーサナ本来の意味とは違うものになってしまいます。
つまりここでは、
「後ろ足でマットを踏み締めながら背骨を伸ばして」
「両腕は同じ力で広げて」
などのような力の方向性を導く誘導が必ず必要になります。
アライメント=体のポジションが正しくても、その奥にある見えない力の方向性を見極めることは、アーサナを正しく導くためにインストラクターに必須のスキルなのです。
●シークエンスは力の方向性を導くことで初めて効果が出る
このように、アーサナの力の方向性をしっかり引き出すことの必要性は、そのアーサナ自体の効果を得ることだけにとどまりません。
アーサナを配置し、つないでいくヴィンヤサのシークエンスでは、アーサナ毎の正しい力の方向性が実現してこそ、シークエンス全体での呼吸を深める効果や、セロトニンの分泌を高める効果を得ることができます。
図のようなシークエンスを提供する際も、力の方向性がアーサナに乗っているかどうかは重要なポイントです。
アシュワ・サンチュラーサナで両脚でしっかり地面を引き裂くように踏み締める意識
→トリコナーサナで心地よく腕を広げ吸気を優勢にする
→パリブリッタアルダチャンドラーサナで体幹をツイストし呼気を強める…
といった呼吸を深めるシークエンスの理論は、正しいディレクションがあって初めて成り立つのです。
■オンラインでは更に重要度が増すアーサナのディレクション
昨今需要がどんどん増し、たくさんの人にとって当然の選択肢となったオンラインヨガでは、この見えない力の方向性へのディレクションはより一層重要なファクターです。
そこで、シークエンスデザインでは時計の文字盤で方向性を共有し、ガイドに取り入れることを奨励しています。
レッスンの冒頭で、共通認識としてマットの前が12時、後ろが6時、という共通認識を受講生に伝えることで、方向性へのガイドが格段に楽に、そして正確になります!
シークエンスデザイン講座では本当に効果のあるシークエンスのために、正しいアーサナとは何かを、見た目からだけではなく、基礎から学ぶことができます。
この講座はこんな方にオススメです。
・シークエンスの組み方を基本から学びたい
・ティーチャートレーニングは卒業したが自分のシークエンスに自信がない
・解剖学的に呼吸を深めるシークエンスを提供したい
・アーサナと自律神経系への作用を学びたい
・生理学的に作用する深いリラクゼーションを提供をしたい
●次回8月シークエンス講座開催予定
(Zoomでのライブクラス2h、動画講義3h、オールカラーのテキスト代含む)
*3本セット
(全ての動画講義、Zoomでのライブクラス3日、修了証が発行されます)
講座の詳細、オフィシャルラインはトップのリンクからどうぞ。過去「身体の力みをとるビンヤサシークエンス講座」を受講された方の受講方法なども詳細をご覧下さい。
芸術大学卒業後、デザインの仕事に就くが、消費サイクルの短いデザイン業に疑問を感じ、30年以上のヨガ愛好者である母の影響で続けていたヨガに更に本気で向おうと決意、ヨガインストラクターに転職する。現在は3人の子育てをしながら幅広い年齢層に多様なヨガを指導。