体の一番大きくて強い靭帯はどこかわかりますか?
皆さまこんにちは、ヨガインストラクターのよがくらげ雅子です。
体の中にある最も大きく強い靭帯、どこかわかりますか?
答えはずばり、腸骨大腿靭帯です。
今日は数ある靭帯の中でも最も大きく強靭な靭帯である、腸骨大腿靭帯についてヨガ的な観点から掘り下げきたいと思います。
■腸骨大腿靭帯はどこにある?
まず、腸骨大腿靭帯はその名前から分かる通り股関節の靭帯です。正確にどこにあるか、再確認していきましょう。
腸骨大腿靭帯は股関節前上部をY字状に広がっています。
そして腸骨大腿靭帯の上部繊維束は代替骨頭部と並行に下外方向に走っているため、股関節外旋で伸長します。役割としては、股関節の過伸展を防いでいるのと同時に伸展位における外旋の制限要素にもなっています。
なぜ股関節にこのように外旋を制限する強靭な靭帯が必要なのか?
その答えは二足歩行にあります。
股関節は、二足歩行の過程で片脚立位の姿勢をとったり、頭部から体幹部を含む上半身を支える必要があるため高い安定性と可動性を両立する機能が必要とされます。その為に、関節唇や関節包を覆う靭帯によって強く補強されているのです。
■アーサナの練習を行う意味
このように、人間の股関節は二足歩行を安定させるために腸骨大腿靭帯のように強靭な靭帯で補強され、高い安定感をたもっています。
しかしそれは逆に、数あるヨガのアーサナの中で体の構造上の可動範囲を超えるような、とりにくいアーサナが必ずあると言うことです。
図を見ていただくと分かるように、股関節の可動範囲は個体差はあれどほぼ決まっています。
靭帯は筋肉とは違い、それ自体が大きく伸び縮みするものではないので、可動範囲を大きく超えるような動きや体位は、体にとって負担がとても大きいと言うことです。行う頻度の高いランジやアンジャネーヤアサナでさえ、一定以上の柔軟性は必要です。
もちろん、年数をかけて練習を積み重ね、徐々に関節や筋肉の柔軟性と強さを得ている人が難易度の高いアーサナに取り組むことは問題ありません。ですが、ある程度の年齢を超えてからヨガのアーサナの練習に取り組みだした人は、負担が大きくなりやすく、損傷した際にリカバーにも時間がかかってしまいます。
アーサナを練習する目的は人それぞれですが、一般的には日常生活の質を向上させるものであるべきですよね。
こう言った面から、本来の可動範囲を大幅に超えるようなアーサナの提供には、インストラクターとして最大の注意を払う必要があります。
■股関節の柔軟性と、筋力を引き出すアプローチを
股関節の柔軟性を必要とするアーサナはたくさんありますが、闇雲にそれらを配置すると呼吸が深まらないばかりか怪我にも繋がりかねません。
シークエンスの中で、股関節の柔軟性だけでなく、筋力を引き出すような準備も取り入れるべきでしょう。
そう言ったアプローチは、アジャストもできず、オンラインヨガが広く普及した今のヨガ業界の中でも必須と言えます。なぜなら、オンラインではアジャストもできず、空間を共有してアーサナを確認することもできないからです。
ヨガシークエンスデザイン講座では、解剖学的な見地から安全で効果的なシークエンス作りを学ぶことができます。
日常生活に役立つヨガ、受講者のQOLを上げられるレッスンを提供できるインストラクターになっていきたいですよね。
この講座はこんな方にオススメです。
・シークエンスの組み方を基本から学びたい
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*講座日程
●2021年6月シークエンス講座開催
6月シークエンス講座平日水曜コース開催
6/13,20,27 14:00-16:00
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(全ての動画講義、Zoomでのライブクラス3日、修了証が発行されます)
講座の詳細、オフィシャルラインはトップのリンクからどうぞ。過去「身体の力みをとるビンヤサシークエンス講座」を受講された方の受講方法なども詳細をご覧下さい。
芸術大学卒業後、デザインの仕事に就くが、消費サイクルの短いデザイン業に疑問を感じ、30年以上のヨガ愛好者である母の影響で続けていたヨガに更に本気で向おうと決意、ヨガインストラクターに転職する。現在は3人の子育てをしながら幅広い年齢層に多様なヨガを指導。