心拍の理想的なアーチを意識していますか?vol.1 心拍上昇編
皆さまこんにちは!ヨガインストラクターのよがくらげ雅子です。
ヨガシークエンスデザインでは今までも幾度もお伝えしていますが、レッスンの開始から終了までの間で理想的な心拍の山を描くことはインストラクターとして意識していくべき大きなポイントです。
なぜなら、前回の記事でもお伝えした通り、「ややきつい」と感じる程度の運動はストレス値を下げる効果があり、心肺機能の維持、向上にも役立つからです。
今回は、心拍をどの程度上げられると良いのか、そしてそのために取り入れていきたいアーサナなどを探っていきます。
■最高心拍数の求め方
心拍数は運動強度に比例します。
「これ以上は運動できない!」と感じた時の運動の強さを「運動強度」100%とすると、この時の心拍数を「最高心拍数」といいます。
例えば女性であれば、最高心拍数は求め方は、220-実年齢です。
40歳の方でしたら220-40=180拍であり、これ以上の心拍上昇は危険ということになりますね。
自分がどの程度キツいと感じるかを指標とした「自覚的運動強度」では、「楽」から「ややきつい」と感じるときの心拍数は100〜120拍だと言われています。
つまり、110から120台まで上がる心拍数アーチを目指せば「ややキツい」と感じる適度な強度であるということです。
ヨガのレッスンで言えば、立位で動いていくアクティベーションのところでこの100〜120を超えてくる程度まで心拍を上げることが、メリハリがついた効果的なシークエンスの一つの目安と言えます。
そして、しっかり心拍の山を作ることは、その後のクールダウンで心拍の谷を描き深いリラクゼーションへ導くための重要な布石とも言えるのです。
■効果的に心拍を上げるために
●徐々に上げていく
心臓に余計な負担をかけない心拍のあげ方は、徐々に上げることです。レッスンの中で、いきなり立位から始めることはほとんどありませんよね。
まずはウォーミングアップで、少しずつ心拍を上げながら強度の高い動きに向けて関節や筋肉を動かしやすく整えていくことが大切です。
●しっかりと心拍上昇の山を作る
例えばフロースタイルのヨガであれば、吸えるポジション、吐けるポジションを意識した立位のシークエンスでかなり心拍を上げていくことができるでしょう。
ですが、どの程度の運動強度でどこまで心拍が上がるか、というのは個人差がとても大きく、日頃から運動習慣があり心肺機能を高めている人ではなかなかしっかり心拍が上がらないこともあります。
では、心拍数を上げる、ということを目的とした場合に、どんなアーサナが効果的なご存知ですか?
■心臓に近い箇所の筋肉に負荷をかける
誰に対しても心拍を上昇させる働きが強いのは、心臓に近い箇所の筋肉に負荷をかける動きです。
例えばわかりやすいのは腕立て伏せなど。ヨガでいえばお馴染みのチャトランガダンダーサナなどがこれに当たりますね!チャトランガダンダーサナからプッシュアップで戻る、などのように、胸筋や上腕筋をしっかり収縮させる運動は心拍を上昇させるにはとても効果的です。
こういったトレーニング要素を含むアクティベーションをフローの中に盛り込んでいくことで、確実に心拍数を底上げすることができます。
また、プッシュアップなどは膝をつくことで強度の調整もしやすいので、様々な層に向けてのレッスンで取り入れやすいですよね。
■適度な心拍上昇がレッスンの満足度を上げる
このように、心拍数を徐々に目指すレベルまで上げていけるシークエンスを組むことができれば、その後の深いリラクゼーションへも繋がり、レッスン全体の満足度を上げることができます。
吸えるポジションと吐けるポジションの効果的な配置と、強度を調整する工夫を学び、客観的に効果の出るヨガのクラスを提供できるように学んでみませんか?
どんなキャリアのインストラクターにとっても、必ず大きなステップアップとなるでしょう。
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芸術大学卒業後、デザインの仕事に就くが、消費サイクルの短いデザイン業に疑問を感じ、30年以上のヨガ愛好者である母の影響で続けていたヨガに更に本気で向おうと決意、ヨガインストラクターに転職する。現在は3人の子育てをしながら幅広い年齢層に多様なヨガを指導。