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【セロトニン】そのレッスン、ヨガの心地よさを本当に提供できてますか?

皆さまこんにちは、ヨガインストラクターのよがくらげ雅子です。

ヨガのインストラクターをしていると、色んな理由でヨガのレッスンを受講している方を目にします。健康管理やダイエット、精神面を整える目的、姿勢の改善などなど、ヨガへの入り口も違えば、抱えている悩みも様々ですよね。

でももしヨガのインストラクターであれば、どんな目的で受けている方にもヨガならではの気持ちよさを体験してほしい、と強く願っているのではないでしょうか。

ヨガならではの気持ちよさや爽快感は、自律神経が整い、肉体のみならず精神面でも深いリラクゼーションを体験できることです。そういったレッスンがちゃんと狙って提供できるかどうかが、インストラクターとしての一つの分かれ道となります。

セロトニンの分泌を高めるライフスタイル

精神を安定させる神経伝達物質、セロトニンについてはご存知の方が多いことでしょう。「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンは、ストレス耐性を高め、安心感や平常心を維持したり、脳を活性化して直感力を高めるなどの作用があります。

セロトニンの分泌を高めていくことはストレス社会を生きる現代人にとっても欠かせませんね。これは生活習慣の中で意識することで、高めていくことができます。

・太陽光(特に朝日)を浴びる

・咀嚼をしっかりと行う

・ウォーキングなどの有酸素運動

これらの行動は、セロトニンの分泌を高めることが判明しています。

朝日を浴びる、というのは生体リズムを整え、自律神経の働きを円滑にしてくれますし、咀嚼やウォーキングと言ったリズムのある運動はそれ自体がセロトニンの分泌を高める作用をします。咀嚼はその中でも最も手軽なものかもしれませんね。

ウォーキングはリズム運動であるばかりか、全身それぞれをコントロールしながら1つの行動を行う「協調運動」でもあるので、セロトニンの分泌を促すにはまさに理想的な習慣といえるでしょう。

そしてリズムのある生体運動にはもちろん呼吸も含まれます。有酸素運動をしながら呼吸を深めていくヨガは、セロトニンの分泌を促すという観点からもとても有益な手段と言えます。

数値にはっきり現れた、ヨガの精神面への効果

ヨガが、肉体を通し精神面にも好影響を及ぼすことはすでに広く認知されていることですが、「すっきりした」「リラックスできた」などの感想は、個々の主観的な感覚であり、実際にどれだけの効果があったのかは曖昧な領域を出ません。

そこで、シークエンスデザインではPOMS(Profile of Mood States)と言われる気分、感情、情緒などの主観的側面からのアプローチによって対象者の情動を数値化し測定できる臨床心理テストを使用しヨガのクラス前後の『怒り』、『混乱』、『抑うつ』、『疲労』、『緊張、不安』5つの感情を200名以上測定しました。

過去にもヨガは肉体だけではなくメンタルヘルスの観点からも様々な効果が謳われてきました。想定通りヨガクラス後にはネガティブな感情は平均して20数%ダウン(ネガティブな感情が軽減)しました。

さらに、よりセロトニンの分泌を効果的に促すためにシークエンスの配置の構成を組み直し、ガイドでの誘導のポイントを押さえることで、数ヶ月前の測定時には-23%(改善)だった『怒り』のスコアが-31%の改善となり、『不安、緊張』のスコアは-26%から-38%へと10%以上の大きな効果がみられました。

なお、この実験では感情などの内的な作用を身体運動、シークエンスの配置がいかに作用するかを検証するために、一定時間の閉眼を伴う瞑想や呼吸法、哲学的な話しをクラスの中で含めずに行いました。

この検証からわかることは、シークエンスの配置がセロトニンの分泌に深く関連しているという事実です。

レッスンにおいてセロトニンの分泌を高めるポイント

では、実際にヨガのレッスンでセロトニンの分泌を高めるためには具体的に何をしてくべきなのか。

実は、シークエンスを組む際に意識すべきポイントがあるのです。

・有酸素のリズム運動

・呼気(吐く息)を優勢にしていくこと

・脊柱起立筋を働かせること

これらを意識的にシークエンスに落とし込んでいくことで、客観的に見てもより満足度の高い、精神面へも効果の高いレッスンを提供することができます。

そしてこれを叶えるためには、シークエンスの組み方に加え、ティーチングのスキルにも大切なポイントがありました。

セロトニンの分泌に欠かせないシークエンス構築スキルとティーチングスキル

有酸素のリズム運動。

これはもう呼吸を深めるヨガのベースともいえる「吸えるポジション」と「吐けるポジション」の交互の配置です。

それらをより意識することで、アーサナのキープ中の呼吸だけでなく、吸気と呼気それぞれに乗せる動きがはっきりと見えてきます。そのようにして構成される呼吸と動きの連動が、この有酸素のリズム運動となってセロトニンの分泌を促します。

呼気(吐く息)を優勢にしていくこと

セロトニンの分泌を刺激するためには、実は呼気にポイントがあります。ため息をつくと落ち着いたり、ストレスが解消されるように感じることは誰しも経験があるのではないでしょうか。

そしてレッスンの中で呼気を優勢にしていくためには、当然ですが吸えるポジションでしっかり吸う必要があります。

しっかり吸うから、深く吐ける。

このサイクルをシークエンスに意識的に落とし込むことが大切なんです。これを意識すると、インストラクターは自然と、次の動きやアーサナのために、現時点のアーサナや動きを紡いでいくようになっていくことでしょう。

■脊柱起立筋を働かせること

さらに、呼気を導く吸気を深めるためのティーチングポイントが、この脊柱起立筋群へのガイドにあります。

例えば、図はどちらもバタコナーサナと呼ばれる合蹠のポーズですが、左のバタコナーサナは重力に逆らい、脊柱を上に伸ばす意識を持って行われています。

この左のようなバタコナーサナは、まさに脊柱起立筋群を呼び覚まし、セロトニンの分泌を高める呼気に繋がる理想的な吸えるポジションです。

これを理解し狙って提供するためには、吸えるポジションの際に、受講者が右のように重力に体を預けるようなバタコナーサナをとってしまわないよう、「背骨を伸ばして」「床を押して重力に逆らって」などのように方向性をガイドに乗せていくことが必須です。

まずはしっかりと脊柱起立筋群を使って吸気を優勢にし、そこから右のような吐けるポジションに移行することでセロトニンを効果的に分泌させることができるのです。

時代は数値で「見える化」の方向へ

これまでヨガがもたらす心身への効果は、被験者の主観や個人的な感想で評価されることがほとんどでした。インストラクター自身も、その曖昧さの中で手探りで良いレッスンを提供しようと励んでいたのではないでしょうか。

ですが、ヨガ業界もオンライン化が進み、客観的な効果が求められる今、本当にそのレッスンが受講者に有益に働いているのかを数値で測り判断していく時代へと移行してきています。

今後、ヨガのインストラクターとして活躍の場を広げていくためには、数値で測ってもその効果が認められるようなレッスンを提供できるようなスキルを、身につけていく必要があります。

セロトニンの分泌を促す理論とスキルが学べるシークエンス講座は、日本のヨガインストラクターのレベルを底上げしていく必須の学びとなっていくでしょう。

野村賢吾先生によるオンラインでのシークエンス講座/

この講座はこんな方にオススメです。

・シークエンスの組み方を基本から学びたい

・ティーチャートレーニングは卒業したが自分のシークエンスに自信がない

・解剖学的に呼吸を深めるシークエンスを提供したい

・アーサナと自律神経系への作用を学びたい

・生理学的に作用する深いリラクゼーションを提供をしたい

*講座日程

●2021年6月シークエンス講座開催

6月シークエンス講座平日水曜コース開催
6/13,20,27  14:00-16:00

*各セクション 

(Zoomでのライブクラス2h、動画講義3h、オールカラーのテキスト代含む)

*3本セット 

(全ての動画講義、Zoomでのライブクラス3日、修了証が発行されます)

講座の詳細、オフィシャルラインはトップのリンクからどうぞ。過去「身体の力みをとるビンヤサシークエンス講座」を受講された方の受講方法なども詳細をご覧下さい。

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