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どのアーサナが最も交感神経優位になるか分かりますか?

皆さまこんにちは、ヨガインストラクターのよがくらげ雅子です。

ヨガで得ることができる心身への効果は色々ありますよね。

ヨガの効果についてはこれまで多くの信頼できる機関において様々な研究がなされていますし、影響力の大きい一流企業が社員の健康や生産性の向上を目的として瞑想やヨガを取り入れたりと、その効果は今や一般的にも広く認知されています。

そしてその様々な効果の源であり、初心者から上級者まで最も体感しやすい効果が「呼吸を深める」ことではないでしょうか。

なぜなら、呼吸こそが自律神経を積極的に調整する鍵であり、ヨガの精神への効果でさえ自律神経こそが深く関連しているからです。

そして呼吸を深めることは体にとっても酸素の供給量を増やし、健やかな生命活動を維持することにもつながります。

つまり、効果的なシークエンスの組み方を深く学ぼうとすれば、自然とアーサナが呼吸に及ぼす影響について学ぶことが必要になるのです。

■精神的な要因とも関わりの深い自律神経

自律神経については以前にこちらの記事でも深く触れましたが、交感神経と副交感神経が関わるオートマティックな調整機能です。

交感神経は活動的なスイッチであり、興奮の刺激としてノルアドレナリンなどの神経物質を全身のさまざまな器官に伝えるために脊髄と各器官をつないでいます。

副交感神経は交感神経とは逆に弛緩へのスイッチです。臓器内やその付近にある神経節を隔ててアセチルコリンという神経伝達物質を放出することでリラックスした状態へ導きます。

摂食、消化、吸収、排泄といった基本的な内臓の働きから、無意識の内に呼吸をすること、心拍の調整、夜になると眠くなったり日中は活動的になったり、というように、生命活動を円滑に行うために自立神経は常に自動的に働いてくれています。

例えば緊張した時にお腹を下したり、ストレスによって食欲が無くなったり、あるいは暴食してしまったり、という現象は、この自律神経の働きが乱れることによって起こります。

身の回りの状況から受けた心への影響を処理しきれずにこの自律神経へ負担をかけすぎると、自律神経の働きに不調をきたし、結果として様々な症状が実際に体に出てしまうのです。

自律神経とは、交感神経と副交感神経の働きによって成り立つ、五感で判断した周りの状況から体内を順応させる器官であると言えますね。

つまり自律神経を意識的に整えていくことは、ストレス社会とよばれる現代においてとても重要なことなんです。

■自分の意思でコントロールできる自律神経といえば?

前述した内臓の働きや睡眠欲、食欲などの本能は自分自身でコントロールすることはできませんよね。意思の力で争うことはできても、結果として生命維持が難しくなるレベルまで争い続けるのは不可能でしょう。

ですが、人間が唯一、自分の意思でコントロールできる自律神経があります。

それが、呼吸です。

ヨガではプラーナヤーマ「呼吸法」を行いますが、実は呼吸法は知能レベルの高い人間にしか行うことができません。

レッスンの中でアーサナによって呼吸を深めていくことは、ヨガの心と体への効果を最大限に高めていく上でとても重要なポイントとなります。

■関節のポジションが呼吸に及ぼす影響

では具体的にどんなアーサナがどのような影響を呼吸に及ぼすのでしょうか。

それを理解する上で欠かせないのは大きな関節のポジションです。人体を構成する最も大きな関節は、脊柱、肩関節、股関節です。

それらによって骨盤や胸郭のポジションが変わり、呼吸の優位性、つまり息を吸いやすい体勢なのか吐きやすい体勢なのかに関わってくるのです。

上記図は息を吐けるポジションのアーサナ群です。どのアーサナも骨盤が閉じたポジションであり、腹部にツイストがかかっていたり、前屈位であったりと、腹筋群が優位になりやすく、結果として息が吐きやすいアーサナになります。

自律神経系は吐く時は副交感神経が優位になるので、これらのアーサナは相対的に副交感神経にスイッチしやすいということになります。

次の図を見てみましょう。息を吸えるポジションのアーサナ群です。骨盤が横に開いたものや、胸郭が広がりやすい伸展位のアーサナが多く肺を大きく広げることができるので、結果として息を吸いやすいアーサナになります。

吸う時は交感神経が優位になるので、これらのアーサナは相対的に交感神経にスイッチしやすいということになります。

■次のうち最も交感神経が優位になるアーサナはどれ?

では、次の図をみてみましょう。

これら4つのアーサナのうち、最も交感神経が優位になるアーサナ はどれかわかりますか?

まず、Bのアーサナは腹筋群が優位になり骨盤が閉じた吐けるポジションなので、違うということがわかります。

残りの3つはどれも胸郭が広がり吸えるポジションのアーサナですが、Cについては胸郭こそ広がっているものの、体の重みを床に預けている分、強度が弱くなり、副交感神経も刺激されます。

残るはAかDということになりますが、Dのアンジャネーヤアサナの股関節は片脚が屈曲している分、骨盤の広がる度合いとしてはAほどではありません。

よって、答えはAのプールヴォッターナサナということになります。

プールヴォッターナサナは僧帽筋や菱形筋によって背中が引き締まる分胸が広がり、鼠蹊部も伸び、自立して体を支える必要のある極陽のアーサナです。

こういったアーサナの後に背中を丸めるアーサナや、ダウンドッグなどに移行すると、自律神経にとても効果的に働きかけ、呼吸を深めていくことができます。

★アーサナ▶︎呼吸▶︎自律神経▶︎ヨガの恩恵

ヨガを行うことができるどんな人でも、呼吸を深めるということからその効果を得ることができます。

インストラクターにできることは、呼吸を深めるヨガを提供し、確実にヨガの効果を届けることです。

アーサナによって呼吸をコントロールし自律神経系を整える効果的なヨガは、呼吸を深めるシークエンスを理論的に学ぶことで組み立てていくことができます。

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